もしかしたら、あの二人で映画化するかも?
そんな噂を聞いた頃に原作を読んだ。
気づいていないだけで、もしかしたら近くにあるかもしれない優しい世界。
人と人の繋がり。仕事との関わり方。
そもそも主人公二人の抱えている問題があるためか、殊更大きな事件や事故が起こる訳でもないけど、読了後になんだか優しい気持ちになれる物語だった。
この作品をあの二人がやるならめちゃくちゃハマるだろうし良いだろうな…と、割とイメージしやすかったし、なんなら藤沢さんと山添くんは私の脳内では既に上白石萌音と松村北斗が喋っていたけど、なんの違和感もなく馴染んでいた。
そんな感じだったので、一体いつ公開になるのかと首を長くして待っていた。
公開日が決まったものの、当初地元では上映がなく、ハラハラしていたがその後地元のシネコンで上映が決まり(しかも家から近い方のシネコンでめちゃありがたかったな)、公開翌日の舞台挨拶付きを朝昼見るところから「夜明けのすべて」とのお付き合いがスタート。
原作からは結構大胆に改変しているのだけど、鑑賞後の印象が読了後のそれとほとんど一緒というか、それが一番驚いたこと。
優しい世界に触れて自分をかえりみたとき、なんか自分も優しくなりたい、と思うような。
まだまだこの世界に希望を持っていいのかも、と思うようなあたたかさ。
この作品は、はっきり言葉にしてしまうと、映画の良さがあちこちからこぼれ落ちてしまいそうで、言語化するのが難しく、語るにはまだまだ自分の語彙が足りていないと感じる。
まさにそれぞれで見て感じていただくのが一番良い作品なんだと思うし、たくさんの人に見て欲しいから、細々とでもいいのでロングランになればなぁと思う次第。
大きなことが起こらないからこそ、その事に感謝したりありがたみを感じることってあると思うので、どういう作品か話してしまうのも野暮だな、と思ったりもして。
でも、間違いなく私にとっては人生ベスト邦画。
自分が辛い時やしんどい時にもふと思い出す映画になると思うし、これからの人生にもそっと寄り添ってくれるような映画を見つけられたことは、本当に幸運だと思う。Blu-ray出たら絶対買いたい。
私自身、例えば出演者に好きな人がいるとかそんなことでもないと、なかなか映画館まで行かない人なので、偉そうなことは言えないけど、この作品は映画館で見てこその作品だったと思っている。
映像の迫力を楽しむタイプの作品ではないから、そこまで思い入れもないし映画館まで行くのも…と思うかもしれないけど、騙されたと思ってそこはぜひぜひ映画館へ。やっぱりスクリーンで見て良かったと思います。多分。
そして鑑賞後の余韻をゆっくり楽しみましょう。
出演者や好きなシーンをもう少し掘り下げようかと思ったけど、何書いてもネタバレになるしな…。
もうちょっと取っておこうか…(とかいって書かないパターン全然あり得る私)。
でも一つだけ。
私は住川さん(久保田磨希)みたいな人になりたいです。あの気遣いと温かさと優しさ、見習いたいわ。