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映画「ホリック xxxHOLIC」を観た話

そんな訳でホリック観てきました。
多分ネタバレはしてない感想文。
4/29 9:00回、上演後に初日舞台挨拶中継付です。

あちこち説明が欲しいところがいっぱいあって、調べたら原作コミックスは19巻刊行とのこと。長い作品をギュッとするとこうなるよね、という感じ。
もしかしたら原作知らない方が素直に楽しめるかも知れないかな。
原作を読んでいると細かい情報は補完できると思うんだけど、その分思い入れも出来るので、ここは削らないで欲しいとか、あの台詞が聞きたかったのにとか、物足りなさを感じる部分はあっただろうと思う。
それにしたって、登場人物の名前や説明をまるっとカットしてるので、原作未読で前情報が何もなく鑑賞すると、ちょっとついていくのが大変かもしれないです。
公式の人物紹介見るくらいで事足りるとは思いますが。

映像は素晴らしかった。独特な色彩感覚をお持ちの蜷川監督ですが、それが異世界感をより醸し出していたとも言えます。
メインとなる「ミセ」の情景、衣装やスタイリングもめちゃくちゃ拘っているし。
ただやっぱり本業が写真家の方なので、一場面を切り取ると綺麗で素敵なんだけど、場面場面の繋がりとなると流れが一部解りにくかったりするところは正直ありました。
あと前半と後半のバランスかな。前半のゆったりした流れに反して、後半は駆け足で一気に終息へ向かう感じでした。それが四月一日の心情の変化にリンクしているといえばそれはそうなんだけど…。
映画のスクリーンで観る極彩色の洪水はなかなか壮観です。人によっては色がうるさいと思う人もいるでしょうけど、スクリーンで観るからこその迫力もあったし、映画館で観た意味があったかなと私は思いました。

撮影は一回目の緊急事態宣言の頃とのこと(舞台挨拶より)。
制限も多く、今後も不透明な中、撮影から完成、公開に至るまでは本当に大変なことだっただろうと思います。
構想から10年という事で蜷川監督にとっても念願の初日だったと思いますし、出演したキャストにとっても、日の目を見るといったらおかしいかもしれませんが、晴れの日を迎えられたことはきっと何よりの幸せですよね。
こうして公開初日を迎えられて本当に良かったと思います。おめでとうございます。

さて、今回私が映画館に足を運ぶに至ったのは、もちろん松村北斗くんが出演しているということにありますが、それに加えて好きな俳優さんが揃っていたということにあります。
神木隆之介くんはそれこそ私が中居担でもあるので、多分グッドニュースの頃から知っているし、柴咲コウさんの独特な空気感を持つ個性には以前から惹かれるものがありました。
神木くんは原作の設定年齢からすると実年齢の方が上ですが、制服を着て高校生をしていても違和感が仕事しないのは本当に流石です。
最初何事にも執着がなく、生きることさえ面倒だと思っているような四月一日が、少しずつ幸せを覚えていく様は可愛らしくもありました。
百目鬼とひまわりに出会い、四月一日の中に新しい感情が芽生えた時、対価を問われて一瞬言い淀むところが好きですね。
あとラストシーンが本当に素晴らしいの一言でした。
あの四月一日を観られて良かった!
柴咲さんはとにかく衣装が豪華で、それをまた着こなしているのが素敵。
得体の知れないところがあるのに、四月一日の作った玉子焼きを無邪気に頬張り感嘆のため息を漏らす、こういうどこか可愛らしいところがあるキャラクターって、そういえばCLAMP作品の定番だよねと懐かしく思ったり。
基本ミステリアスだけど四月一日に対して垣間見る母性のようなもの、それが後半へ繋がっていきます。
蜷川監督の作るホリックの世界は、このお二人によって成り立っているのかなと思いました。
北斗は四月一日の同級生で後に親友?心友?になる百目鬼
一見何を考えているか解りにくいし口数も少ないし、名前の通り静の人。
それでも四月一日を大切に思う気持ちは持っていて、何かあれば助けたいと思っている。
とことん感情を抑えた低い声は、おそらくこれまでの北斗にはないレンジの声だと思いますが、意志と心の強さが現れていて良かったです。
着物!袴!弓神事!これに萌えない女子はいるのか。いやいない。
決して出番の多い役ではないのですけど、四月一日とはお互いに運命を分け合う間柄になります。
運命を分け合った後にそれぞれ変化があるわけですが、そのビジュアルが神でした。
神木くんと北斗、顔立ちが似ている訳ではないのですが、目覚めの四月一日がそこはかとなく色気を漂わせていて、この色気は何!?と思いつつ観ていた時に、北斗もこういう色気あるよね…?何か似てない…?と思って気がついたのです。二人とも唇が色っぽいんだわ…。
涼やかな目元と唇の描くカーブのバランスがそこはかとない色気になるの(何を言ってるんでしょうか)。二人とも素晴らしいです…。

蜷川監督作品に共通するテーマとしてメインに映像美があるとするならば、多分もうひとつのテーマがエロスだと勝手に思ってるんですけど、正直私自身は蜷川監督の描くエロスとは相性があんまり良くなくて。
もう少し上品さが欲しいと思ってしまうんです。
これ、AKB48ヘビーローテーションのMV観た頃から思ってたことなんですけど。
でも女郎蜘蛛の吉岡里帆ちゃんは良かった。彼女自身の持つ空気感がギリギリボーダーラインを保ってくれていた感じ。蜘蛛に相応しい残酷な無邪気さと、人を快楽に誘う狡猾さのアンバランスな感じが狂気じみていて。
赤蜘蛛の磯村勇斗も良かったなぁ。あの囁きはいいよね…。

北斗が出ていなかったら、興味は惹かれても映画館までは行かなかったかもな…とは思いますが、作品の伝えたいテーマは、多少足りないところがありながらも(笑)伝わっては来たし楽しめたので、最終的に「観て良かった」で終われて良かったです。